とある内科医の医学勉強帳

感染症医、総合内科医の忘備録

脳・神経

MERS: clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion  可逆性の脳梁膨大部病変を伴う軽症脳炎/脳症

感染症、電解質異常、血管炎などの膠原病の経過中に、意識障害を呈し、脳MRIで脳梁膨大部に限局した病変を認めることがあります。 その際は、「MERS: clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion:可逆性の脳梁膨大部病…

アシクロビル脳症

ポイント: 「帯状疱疹、ヘルペスウイルス感染症治療中に生じた意識障害、精神神経症状を見た場合は、ウイルス性脳炎とアシクロビル脳症の鑑別を!」 アシクロビル脳症とは? 抗へルペス薬のアシクロビルは中枢神経系への移行が良好であり、その脳脊髄液中濃…

髄膜炎尿閉症候群(MRS:meningitis-retention syndrome)

無菌性髄膜炎に尿閉を合併する稀な病態 通常4~10日間程度で後遺症なく自然軽快するが、時に5~7週間ほど遷延することもある 原則特別な治療は必要ない 機序は、原因疾患による仙髄神経根障害、一過性の括約筋障害が疑われている 髄膜炎尿閉症候群の原因とし…

大脳白質病変とは

大脳白質病変は、虚血による信号変化で、典型的な像としてはMRI T1強調像で等~軽度低信号、T2、FLAIRで高信号域を呈する。 大脳白質病変は、脳卒中、認知症のリスクとなる。 特にハイリスクとされる変化 ・PVH: periventricular hyperintensity(脳室周囲高…